私は数年前に、乳がんの手術をした癌サバイバーです。
今年に入り、乳がんの再発や転移ではないのですが、体の中に、切除してみなければ、良性か悪性か判断できない腫瘍が見つかり、乳がん手術をした東京の大学病院ではなく、手術をお願いしたい先生がいる他県で手術を受けて来ました。
前回の「コロナ騒ぎの中、定期検診はどうする?」は東京の大学病院の話になりますが、今回の手術で悪性だった場合の治療のことで、乳腺外科の主治医に確認にしたいことがあり、定期検診を受診したかったのです。
今回は、手術を受けた病院の様子になります。
コロナウイルス騒動の中、患者への病院側の対応
感染対策は、かなりの徹底ぶりだと思います。
検温、アルコール消毒
初診から手術までの2ヶ月間、数回受診をしましたが、院内にいる人の数は受診する度に減り、病院内に入るガードも厳しくなっていきます。
玄関に院内のスタッフが立ち、最初はアルコール消毒をお願いします。と手の消毒のみだったのですが、
マスク着用のチェック、受診目的かを確認され、面会なら帰されます。不要な付き添いであれば、院外での待機をお願いされていました。非接触型体温計での検温、手にアルコール消毒をしてから院内に入れるようになっていきました。
通院の付添い、面会禁止の貼り紙
病院内には原則、付添い不可、面会禁止の貼り紙。
ご高齢者や、一人では受診できない方は付添い可能ですが、それ以外の方はご遠慮ということですね。面会も禁止となっており、来院できるのは入退院と手術日当日のみとする。と貼り紙には書かれていました。
手術前の最後の外来診察日、看護師さんから手術日の説明がありましたが
「入院中の面会は禁止にさせて頂いてます。手術当日来院できるのはご家族1名のみとさせて頂き、1階ロビーでお待ち頂くことになります。手術時間になったら、手術フロアにお越しいただいて、その後は病棟への立ち入りは遠慮させて頂いているんです。」
と申し訳なさそうに、説明をされましたが、おひとり様の私は、今までも先生の承諾が得れた手術は、一人で受けて来たので、今回も誰も来ない旨を伝えました。
私が手術した病院では、病棟フロアには患者以外立ち入り禁止、入院したら退院まで家族には会えず、手術日も手術室に入る姿や手術後、運ばれて出てくる姿が遠くから見える程度ということです。
ちなみに、先月、父が手術入院した病院では、手術の立ち会いは家族1名のみ。面会は各病棟フロアにある談話室で面会者1名と、洗濯物の受け渡しなどの短時間の面会は可能でした。
医師の診察、麻酔科医の説明は不自然なほど離れて場所で
初診時、診察室の中にはマスクさえしていなかった先生との間には、透明なシールドの衝立が設けられ、その向こうにマスクをつけた先生がいるようになりました。
麻酔科医からの説明部屋は、不自然なほど離れた位置に椅子が置かれていて、離れた距離からの説明でした。
ここまで離れるなら、院内WiFiで病室からオンライ受診とかできないのかな・・と思ったりもしたのですが。
手術入院するにあたって、私がしたコロナ感染対策
既に、他の医療機関では、手術延期や、東京からの患者の受け入れの禁止、妊婦さんにあったては、里帰り出産のキャンセルの申し出などのニュースが流れ始め、私も、手術拒否などの連絡が来てしまうかも、と思っていましたが、連絡はありませんでした。
院内に入る前にウイルス除菌
入院日当日、東京から他県へは電車で移動。
ウイルスがついているかもしれないと思い、院内に入る前に、入院道具を詰めたカバンと靴底を持ってきたアルコールスプレーと除菌シートで拭き取り除菌。今まで病院の玄関先で掃除並みの除菌なんてしたことないですが、手術をしてもらえるんだ。という気持ちがありました。
手に入らないと探していたアルコールは、家にあったジェルネイル用のものが代用できるとわかり、スプレーボトル に詰め替え持って行きました。
エタノール殺菌 クレンザープラス病室に入ってした感染対策
まずスリッパと入院着に着替える。
履いてきた靴と、着てきた服はアルコールスプレーをしてビニール袋へ。
それから、これは、コロナウイルスに関係なく、入院をする度に行うのですが
入院中は毎日、掃除の方が病室、お風呂、トイレを掃除してくれてるのは今までの入院経験上、分かってはいるのですが、
アルコール除菌までしてるのだろうか?と思っていて。
病室に入ったら、病室のドア、トイレのドアノブ、レバー、便座、洗面の蛇口、ベッドの手すり。触れるところはアルコールで除菌しています。潔癖症ではありませんが、病院には色んな菌がいると思っているので、やらないと安心できないのです。
次亜塩素酸水で部屋の空気除菌
次亜塩素酸水も携帯用のスプレーボトルに入れて持って行きました。
次亜塩素酸水は少しハイター臭がします。
入院中、自分の手の除菌に使用することと、空気除菌の為にスプレーしても良いか、部屋に来た担当看護師さんに確認すると
「全然OK!私もアルコールが手に入らなくて、次亜塩素酸水買ったのよ!」と次亜塩素酸水の話で二人で盛り上がりました。
とても明るい看護師さんで話をしているだけで、元気をもらえるような人でした。手術や入院の度に看護師さんの優しさに助けられます。
窓を開け空気の換気
窓が空いたので、看護師さんに断りを入れて、定期的に換気をしました。
入院中は、検温や点滴交換、お薬チェックなどで看護師さんが頻繁に入って来ます。退院後の過ごし方や、薬剤師さんがお薬の説明などで、会話が長くなる時は、窓を開けて話すようにしました。
病院側からのお願いは個室でもマスク着用を
病院側からのお願いとしては、個室内であってもマスク着用してください。とお願いがありました。
コロナウイルス感染対策、入院時の持ち物。マスクは余分に
アルコールスプレー、アルコール除菌シート、アルコールジェル。トイレ掃除シート、次亜塩素酸水、イハダの花粉スプレー、マスクは余分に。
入院前に個室を希望しましたが、必ずしも希望が叶うとは限りません。
以前、容体が良くない患者さんに個室を使わせて欲しいと、大部屋への転室を求められた経験や、外で簡単に手に入るものが、入院中は院内の売店で売り切れなら手に入らない不便さも経験しています。
大部屋に入院になったとして、マスクを持っていない同室の方がいるかもと、マスクは多めに持って入院しました。
案の定、病院の売店にマスクは入ってこず、1枚のマスクを使い回している方も多いと看護師さんから聞きました。
面会不可の上に、売店にもマスクがない。入院患者さんはどうやって手に入れればいいのでしょうか。
マスク不足で医療従事者にさえ、行き渡っていませんが、入院患者さんもマスクがなく不安な方が多くいると思います。
病棟看護師さんの声。意識のチェンジをしませんか?
元気印の病棟看護師さんからコロナ感染について、
人材も物資も不足する中で私たちは、どうすれば、この病院で感染者を出さずにいれるか、どうやって院内にウイルスを持ち込まないか、どうやって病棟患者さんたちを守りきるかを考えてる。小さな子供を持つ看護師もいるし、私自身も高齢者と同居、今は感染リスクを減らすため家庭内別居をしている。病院にも、院内感染を防ぐために、いろんな要望をあげたけど、金銭面で却下されたものもあるの。だけど、それじゃダメね。もう一度言ってみるわ!
経費の面で病院側に却下されたコロナ対策を、もう一度、上と話すわ!これはコロナとも病院とも戦いよ!と言った看護師さんは、コロナが怖いと、怖がるだけの私とは違って、この方は戦ってるんだなと感じさせられました。
診察に行ったら、コロナに感染したらどうしよう?と思っている方、以前の私もそうでした。
医療機関で働いている方や、マスクの替さえない入院患者さんにしてみれば、受診に来た患者さんや、新しい入院患者さんがコロナを運んできたらどうしよう。なのです。
洗って繰り返し使えるマスクでは、身動きが不自由な患者さんは自分で洗えることができません。付けっぱなしでいる方が不衛生ですね。
外来で受診して、たまたま院内のコンビニでマスクを見つけても、それは入院患者さんのために購入しないでください。
抗癌剤治療で定期的な通院治療が必要な方もいます。閉鎖にならないよう私たちも病院を守らなければいけない。
診察に行ったらウイルスに移されるかも。と被害者的考えではなく、ウイルスを移してしまうかもしれない。まさに、よく聞く自分は感染者だ。のつもりで動かなければいけないですね。
今この診察が本当に必要か。オンライン受診が可能であればその選択を。
受診するならば、自分がウイルスを運んでるかも知れない。という気持ちで対策を取って受診する。例えば、私でいうなら乳がんの定期検診日は前もって分かっているので、2週間前からは会社でのお昼は一人の空間が確保できる時間帯にずらす、外出の仕事の調整するなど。
生活や社会が動いている以上、できることは限られますが、
「この病院にどうすれば、感染者を出さないでいるか、ウイルスを持ち込まないか、患者さんたちを守れるか」自分が患者であっても、看護師さんと同じ意識で受診しなければいけないのだと思いました。
今回、感染者が群を抜いて多い東京在住の私を受け入れ、手術をしてくださった医療スタッフの皆様には本当に感謝しております。
私の手術入院レポートでした。